vol.7 夏 |
”トンバイ塀” |
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なんだか、落ち着く雰囲気でしょう?
これは、有田の町の、ところどころで見かけられる、『トンバイ塀』と呼ばれるレンガの塀です。
小話で、「隣の家に、・・」と続く、あの、塀です。(塀なんて、普段はあまり、意識しないのでは!?)
『トンバイ』とは、実は韓国語。(『散歩道vol.4』の、”李 参平記念碑”で触れているように、有田焼の歴史は、最初、韓国の方々によって、切り開かれたのです。)
『トンバイ塀』とは、間単に説明すると、リサイクルの壁です。何のリサイクルかというと、磁器を焼成する(窯で焼くことですね。)とき、昔は薪が用いられました。(その後、重油、ガス、と変化してきましたが、今でも薪を投げ入れて、窯を焚く力強い風景は、有田の町にも続いています。)
その際使われる窯の様式のひとつが、登り窯といって、山の斜面に沿って、階段状に部屋が作られた窯。その、登り窯を築く際、内壁用に使われた四角いレンガ。1300度以上の高温で窯が焚かれるうち、薪の灰をかぶった表面は、なんとも言えない、自然で、光沢のある落ち着いた色合いになってしまうのです。それが、写真の『トンバイ塀』の、材料。・・古くなった窯が壊されたとき、その廃材と、赤土で塗り固めて築いたのが『トンバイ塀』なのです。
町の通りには、親切に案内をしてくれる方のいる、観光案内所もあります。機会があれば、気軽に訪ねてみてくださいね。
2006.7. 1 |
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